プレゼン緊張対策大全【2019年版】

こんにちは、ShuOkamuraです。

 

プレゼンテーションが上手くなりたい。という方にとって最も大きな悩み、それは緊張対策・あがり症克服の方法ではないでしょうか。

 

人前に立った瞬間に頭の中が真っ白になってしまって覚えていた内容が完全に飛んでしまった。そんな経験をしてしまうと、次からのプレゼンテーションがものすごく怖くなります。ここではどうしても人前で話すのが苦手、緊張してしまうという方のために、プレゼンで緊張を和らげる方法についてご紹介いたします。

 

人はなぜ緊張してしまうのか?

そもそも私たちはどうして緊張してしまうのでしょうか?緊張さえしなければ堂々と自分の言いたい事が言えるのに。。。なんて思ってしまいますよね。プレゼンで緊張をしてしまう状況は色々あります。

 

  • 話す内容に自信がない
  • 間違えずに話せるか不安
  • 想定外の質問に答えられるか心配
  • 自分より知識のありそうな人がいる
  • 初めて会う人の前で話す
  • 普段話さない場所で話す
  • 大勢の前で話す

 

このように緊張してしまう状況とは、普段とは異なった環境で話さなければいけないという場面が多くあります。こうした状況では私たちは無意識のうちに「うまくやらなければいけない」「失敗してはいけない」という人間の防衛本能が働きます。こういった感情が働くと、人の身体は敏感に反応し、心拍数が増えたり、手に汗をかいたり、身体が震えたりし始めるんです。

 

 

これはプレゼン初心者に限った話ではありません。ある程度プレゼンに慣れた人でも同じような状況になります。どれだけプレゼンが上手くなっても緊張はするものです。その理由は、緊張とは真剣に向き合っていることの裏返しだからです。でもどうしてプレゼンに慣れた人はそういった緊張を見せることなく話ができるのでしょうか?その理由は、彼らは緊張を和らげる方法を実践しているからなのです。

 

緊張対策は準備段階と本番の2段階で行う

ではプレゼンに慣れた人はどのような対策を実践しているのでしょうか?一般的なプレゼン対策というと、プレゼンを楽しもうと思ったり、身体を動かして緊張をほぐしたりといった具合に、プレゼン本番に行う対策が多い印象があります。でも、本当にそれだけで十分なのでしょうか?

 

 

私自身も元々極度のあがり症で、人前に立って話すのは本当に苦手でした。これは私がまだ入社3年目だった頃の話になりますが、社内でオフィス製品(Excel・Word・PowerPoint)の勉強会をすることになり、私はワード(Word)の担当講師となりました。相手は全国の支店長向け、約30人の前で話す必要がありました。

 

当然こうした経験は全くなかったので、私は極度の緊張状態で手足の震えが止まりませんでした。何度も何度も心の中で「大丈夫、大丈夫」と言い聞かせてみたり、冷たくなって震える手を缶コーヒーで温めたりしたものの全く効果はなく、いよいよ私の番になりました。

 

持ち時間はだいたい20分、極度の緊張の中なんとか全ての説明を行うことができました。やれやれやっと終わった勉強会だったのですが、後で上司に呼び出され「お前、ずっとエクセル(Excel)って言ってたぞ!」と指摘されてしまいました。自分では緊張していて、頭の中が何度も真っ白になって何を話していたのかは全く覚えていませんでした。

 

実はワードの講師を指名されたのですが、それまで全くワードを触ったことがなかったのです。

 

とにかく説明しなければいけない機能についてのみ原稿を書いて覚え、その他の機能は全く知らないまま「質問されたらどうしよう」という思いを持って本番に臨みました。その時に強く思ったこと、それは「もっと事前にワードの事を知っておけばよかった」という事でした。

 

 

私はプレゼンは準備が8割だと考えています。いくら本番で心理的・肉体的にリラックスしようとしても、肝心の内容が覚えきれていなかったり、知識が浅いままだと常に不安を抱えたままプレゼンに臨むことになります。私はこの経験を通じて、本番における緊張対策も必要ですが、準備段階でしっかりと対策しておくことより重要であるということに気付きました。

 

つまりプレゼンテーションを行う上での緊張対策には、準備段階と本番の2段階があるのです。

 

 

事前にしっかりと対策を行った上で本番でも対策を行う。この二重の対策を行うことで緊張状態からはかなり解放されるようになります。これから順に説明していきますが、それぞれの方法には人によって合う、合わないという相性があります。なので全てを実践するというのではなく、ご自身で判断して取り入れやすいものを実践してみてください。

 

準備段階で実施するプレゼン対策

プレゼンを行うことが決まってから、本番当日までの間に実施すること、それがこの準備段階での緊張対策となります。ここでは「ここまでやったんだからもう本番は大丈夫」という状態を目指します。それによって本番を迎えた時、気持ちに余裕が生まれるようになります。実はプレゼン本番での対策よりも、この準備段階での対策の方が非常に効果的なのです。

 

では準備段階で実施するプレゼン対策について見ていきましょう。

 

  • 話す内容以外の知識を増やす
  • 相手を知りシミュレーションを行う
  • 原稿暗記型からスライド作成型になる
  • 意識しなければいけないことを減らす
  • プレゼン会場を下見しておく
  • 日々の仕事の中でプレゼンに慣れる

 

話す内容以外の知識を増やす

プレゼンで緊張してしまう一番の原因は、プレゼンターの知識不足によるものです。プレゼンの内容、その背景、業界・業種、聴き手がどんな人か?こういった情報が不足していると本番で上手く行くかどうかが不安になり、その不安が当日の緊張へと変わってしまいます。

 

プレゼンするテーマについて詳しく知らない
自分よりも詳しい人がオーディエンスにいる
質問されたら答えられる自信がない

 

このように知らないこと、理解が曖昧なことがあると、当日きちんと話せるだろうか?変な質問をされないだろうか?といった不安が残ります。「うまくやらなければいけない」「失敗してはいけない」という状況であるにも関わらず、知識が足りないことでこうした不安が緊張へと変わってしまいます。なので本番で緊張しないためには、準備段階でしっかりと知識を得ておくことが重要になります。

 

例えばあなたが最新のタブレット端末の発表プレゼンを担当したとしましょう。当日あなたが話すパートはこのタブレットの新機能についての紹介。こういった場合、このタブレットの新機能について知っておくのはもちろんのこと、自社のタブレットの販売台数、競合他社製品との違い、海外への販売計画、今後の業界動向など、直接話す以外の知識を持っておくことで話の広がりを持たせることができたり、質疑応答に対してスムーズに答えることができるようになります。

 

 

特にプレゼン初心者は話す内容を覚えることだけに集中してしまい、話す内容以外のこととなると、アドリブが利かないというパターンに陥ってしまいがちになります。上手く話ができる人は、全体を鳥瞰して物事をとらえることができる人です。今自分が話そうとしている内容が全体のどのあたりを指しているのか?それに関連して知っておくべきことは何か?といったことを理解しながら知識の幅を広げていくのです。

 

直接話す内容以外の知識を得ておく必要があるのには、もう一つの大きな理由があります。それは、プレゼンはスピーチとは異なり、話す内容が状況によって変わってくる可能性があるからです。プレゼンテーションはその場の状況次第で大きく変化するものです。聴き手が興味を抱かなかったり、否定的な質問をしてきたりした場合、自分の主張だけを貫くような進め方では必ず失敗してしまいます。プレゼンの形式にもよりますが、相手の反応によって柔軟にストーリーを変えていくことが重要になってきます。

 

プレゼンの内容ですら覚えるのが精いっぱいなのに、話す内容以外の知識を身に付けるのは大変です。これ以上どんな知識を増やせばいいのか?どうやって増やせばいいのか?もっと効果的に知識量を増やすにはどうすればいいのか?考えればキリがありません。でも1つプレゼンを実施する上で知っておけば効果的に知識を増やせるものがあります。それは聴き手がどんな人なのかを知るということです。詳細は次にご説明いたします。

 

 

相手を知りシミュレーションを行う

人が緊張する理由は一言でいうと不安だからです。予期せぬ質問を受けたり、思っていた通り進まなかったり。こうした不確実性があると不安になりそれが緊張へと変わっていきます。

 

プレゼンテーションは聴き手とのインタラクティブ(双方向)なコミュニケーションですから、こちらが意図していたことが伝わらなかったり、相手から思いもよらない質問を受けてしまうことだってあります。そうした状況に対する不安を少しでも払拭するためには、あらかじめ相手がどのような人なのかを理解しておき、相手に合わせたストーリー展開を用意しておくことが重要になります。初めて会う人にプレゼンするよりも何度も会っている人にプレゼンする方が緊張しないのは、その人の思考パターンや知識背景が初めて会う人よりもわかっているからなのです。

 

ではまず最初に相手の何を知っておくことが有効なのでしょうか?もし事前にリサーチが可能なのであれば、次のような内容について考えておくと良いでしょう。

 

どんな役職・職種の人か?
その人に意思決定権はあるのか?
今回のプレゼンに至った経緯を把握しているか?
今回説明する内容に関する専門知識を持っているか?
性格的に声の大きい人(発言の多い人)か?

 

聴き手の役職や専門分野などによって、プレゼンを見る視点が大きく異なります。例えば聴き手が経営層であれば、タブレット新商品の販売見込や限界利益といった経営数値情報、技術者であればそれぞれ採用しているテクノロジーや技術仕様、消費者であれば価格や重さなどの仕様や以前のバージョンとの違いなど、興味のある内容が全く異なってきます。また聴き手に前提知識がなかったり、これまでの話の経緯を知らなかったら「そもそも」の話をしなければいけないかもしれません。

 

もちろんプレゼンは1人の前で行うケースは少ないです。多人数で行うプレゼンの場合は、そのプレゼンの「キーパーソン」となる人についてリサーチしておくと良いでしょう。

例えば今回は経営層へのプレゼンだとします。そうすると計画や費用対効果、競合他社との比較、といった質問が来る可能性が高いと判断できます。そこで質問が来る前にあらかじめストーリーの中に組み込んでおいたり、補助資料を用意したりすることができます。

 

では参加者の中に経営者だけでなく営業・経理・エンジニアあるいは専門家がいた場合、幅広く準備しておく必要があるか?というとそういうわけではありません。この場合おそらくキーパーソンは経営者になると思われますから、そのプレゼンのテーマを見極めたうえで経営者向けに準備をすれば問題ありません。例えばプレゼン中に技術的な細かい質問を受けたとしても、経営者がその質問に興味がなければ、「後日詳細資料を連携します。」といった回答で十分です。

 

また事前にどのような質問が来るかを想定しておき、回答を調査して「質疑応答集」などのファイルを用意しておくのも得策です。様々なタイプの聴き手に対してまんべんなく回答をする必要がある場合などはこうしたファイルを手元に置いておいたり、プレゼン後に配布するなどといった方法も有効です。

 

あと準備しておくと効果的なものがあります。それは「ファクトベースの資料」です。

 

聴き手があなたの提案に否定的、納得していない、まだ満足できていない、といった状況はプレゼンでよく見かけます。こうした時には直接プレゼンでは使用しませんが裏資料としてファクト(事実)を基にした資料を用意しておきます。例えば

 

数値をベースにした統計資料
その商品やサービスを使用した具体的事例
第三者の意見、お客様の声

 

といったものです。本来の想定通りにプレゼンが進めば良いですが必ずしもそうとは限りません。万が一予定通り進まなくてもこうした資料を用意しておくことで自分のプレゼンの「保険」を手に入れるような感覚になります。またこうした資料はこちらのプレゼンの論理を裏付ける重要なものとなります。かなり効果のある方法ですので準備段階で用意しておくことをお勧めします。

 

少し話はそれますが、外資系コンサルがプレゼンする際は、このように事実に基づく資料を必ず用意しています。これをよく「論理武装」なんて言ったりします。コンサルが自信満々に見えるのは実はこうした論理武装を徹底していて不安要素を取り除いているからなんです。(コンサルが自信満々なのには一長一短ありますが)

 

このようにプレゼン本編の内容だけではなく、聴き手の話の展開をある程度予想して、オプションとなる知識の拡充や資料の準備をしておく。こうした対策を事前に行っておくことで本番自信を持ってプレゼンに臨むことができます。

 

 

原稿丸暗記型からスライド作成型になる

プレゼンで人前で話す、となったときにあなたはどのような準備を行いますか?よくあるのが「原稿を作成して練習する」というものです。確かに初心者にとって原稿を書いて覚えるという方法は有効な方法です。しかし、原稿を丸暗記するという行為は本番当日の緊張を生む大きな要因となります。

 

その理由は、本番当日に自分の言葉ではなく暗記している書き言葉を思い出すという作業を行わなくてはいけないからです。緊張対策という観点で見た場合、思い出せなければ何も話せなくなってしまうというリスクが常に存在しているわけですから、暗記したものを人前で思い出すという作業はものすごいプレッシャーとの戦いなのです。

 

このように原稿の丸暗記はかなりの緊張状態を生んでしまいます。緊張を和らげるためには、できるだけ効率的に知識を深め、思い出すという作業から解放してあげることが重要になります。ちなみに原稿の丸暗記は最も非効率な作業です。

 

私は元々暗記が得意ではありません。時間をかけて必死に覚えてもなかなか頭の中に定着しないのです。これまで頭の中で覚えて、資料も何もなしで話すという場面で上手く話すことができた経験は一度もありません。そしてそういった場面では確実に緊張してしまい、毎回頭の中が真っ白になってしまいます。

 

これは現在も変わりません。プレゼン講師がこういったことを書くのはどうかと思いますが、現実なので仕方ありません。しかし私は1つの大きな武器を手に入れてから、こうした極度の緊張状態から解放されることになりました。その武器とは何か?それは「プレゼンスライド」です。

 

私はパワーポイントやキーノートなどのスライドを用いたプレゼン手法を推奨しています。プレゼンスライドは一般的にはビジュアルに訴える効果があると言われています。そして私たちあがり症の人間にとっては「緊張せずに話せるようになる」という効果もあるのです。

 

特に暗記が苦手な人にとっては、スライドを作成しておくことで次に話すべき内容を確認することができます。スライドを一枚めくれば次に話す内容が表示されるので完全に頭の中が真っ白になるということも防ぐことができるのです。

 

 

では緊張対策の観点からスライドを使用した場合のポイントをご紹介します。

 

ストーリーとキーワードを覚えておく

原稿丸暗記型からスライド作成型に移行した場合、何をどのようにして覚えるのが良いのでしょうか?原稿丸暗記型と決定的に異なるのは、話す言葉を一言一句覚えないというところです。話す言葉を覚えてしまうとどうしても思い出すという作業が発生してしまいます。なので話す言葉は覚えません。その代りに覚えておくのがストーリーとキーワードです。具体的には次のような内容を覚えておくのがポイントです。

 

  1. どのような順序・ストーリーで話すのか?
  2. 各スライドのテーマは何か?
  3. それぞれのスライドで最も伝えたいメッセージ何か?

 

まず最初に、プレゼン全体のストーリーを理解します。ストーリーとはプレゼンの話す順序、話す流れのことをいいます。例えば、最初にマーケットシェアの話をし、今後の展開計画を説明したうえで、最後に販売計画を話すといった順序のことです。

 

次にそのストーリーに沿ってスライドを見せながら説明をしていくことになりますが、各スライドは何について書かれているものか、つまりスライドのテーマを理解しておきます。ストーリーを展開する中でそれぞれのスライドには目的があるはずです。例えば問題提起をするスライド、事実を説明するスライド、具体例を見せるスライドなどです。それぞれのスライドについて何を説明するかを理解しておきます。

 

そして最後にそれぞれのスライドで最も伝えたいことを覚えておきます。スライドを1枚1枚見せながら説明するのも簡単ではありません。中には上手くそのスライドの内容が説明できない場合もあるでしょう。そんな場合でも、そのスライドで最も伝えたいメッセージさえ覚えておけば最低限聴き手には伝えたい内容を伝えることができるようになります。ちなみに私の場合、そうした最も伝えたいメッセージは必ずスライドの中に埋め込むようにしています。

 

このように、ストーリー・テーマ・メッセージを理解しておき、自分の言葉で説明できるように練習することがポイントです。

 

 

最初の出だしだけは丸暗記する

このようにスライドを使用すると、丸暗記という作業がほとんどなくなります。覚えるという負担をスライドにしてもらうだけで、精神的にはかなり楽になります。ただそんな状況でも言葉を覚えて自然に言えるようになるまで練習しておいた方が良いことがあります。それがプレゼン冒頭の出だし部分です。

 

多くの人からは、最初さえ乗り越えることができればあとは何とか話すことができたという声を聞きます。そうなんです、プレゼンの冒頭ってどうしても緊張してしまうんです。普段のカジュアルな場面とは異なり、自分の仕切る言葉からスタートするという特殊な状況に慣れている人は多くありません。

 

なのでどういった言葉から話し始めるのが良いのかわからない。という方も多いと思います。またこの部分はスライドでは表現できない部分ですので、独力で乗り切るしかない部分でもあります。やはり慣れていない部分ですので、上手くできるかどうか不安になってしまいます。なのでプレゼンの冒頭だけは何度も練習して自然に言えるようになると大きな自信につながります。

 

プレゼンの入り方には様々なパターンがあります。プレゼンの場面や相手によっても入り方は変わってきます。ご参考までにフォーマルな場面で実施する私のプレゼンの始め方を以下に書いてみます。良ければ参考にしてみてください。

 

それではお時間になりましたので、そろそろ始めさせていただきます。本日はお忙しいところお集まりいただきありがとうございます。私は、○○株式会社の××と申します。本日は弊社新製品「△△」につきまして、新機能のご説明と簡単なデモンストレーションを行いたいと考えております。どうぞよろしくお願いいたします。それでは今回のご説明内容を簡単にご紹介いたします。まずはこちらをご覧ください。・・・

 

あなた自身がどのような場面でプレゼンを行う機会があるのか、状況によって冒頭のスピーチ内容は変わりますが、自分なりの型を持っておくと非常に楽になります。例えば私の場合、最初の仕切りの言葉「それではお時間になりましたので、そろそろ始めさせていただきます。」はどういった場面でも使い回しています。非常に便利な仕切りの言葉です。

 

こうした言葉に慣れるのは簡単ではありません。またどういった言葉で始めれば良いのか最初のうちは戸惑うかと思います。今後上手くなるコツは、他の人がプレゼンをするときに、どういった言葉でスタートをしているか注意して聞いてみることです。「この人の入り方上手いなぁ」というものがあれば、それを自分に取り入れてみましょう。

 

 

 

ここまで、スライドを使用する際のポイントをご紹介しました。プレゼンによってはスライドを使用できない場面もあるかと思います。そういった場合でも準備段階では非常に有効な手段です。スライドは紙に印刷することもできますので、原稿の代わりに持っておくこともできます。プレゼンはスピーチとは異なり、アドリブの力が多く求められます。原稿丸暗記よりも自分の言葉で話せるようになれば今後のプレゼンにも役立つようになります。

 

ここまで知識不足に関する対策をいくつかご紹介しました。次からは他にできる準備段階の緊張対策について見ていきましょう。

 

 

意識しなければいけないことを減らす

プレゼン本番で緊張してしまい頭が真っ白になってしまう。あなたはこういった経験をしたことはありますか?私は昔、とあるプレゼンの準備段階でアイコンタクトの練習をしているときに話す内容が完全に飛んでしまったことがありました。どうやら意識が別のところに行くと頭が真っ白になってしまうようです。人が同時に意識できる数には限りがあります。これは何も私に限った話ではありません。

 

当然意識しなければいけないことが多くなると、そちらに気を取られてしまい、肝心の話す内容が飛んでしまうことがあります。であるにも関わらず一般的なプレゼン本やプレゼンセミナーでは色んなことに意識しなさい、と言ってきます。

 

話す内容を思い出すことに意識
相手と目線を合わせることに意識
「えー」とか「あのー」という言葉を使わないことに意識
話す内容に合わせてボディランゲージをすることに意識
話す声の大きさや抑揚に意識
スクリーンに背を向けないように意識
姿勢が乱れないように意識

 

人はこんなにたくさんの事を同時に意識することができるのでしょうか?どう考えても無理ですよね。特にプレゼン初心者が話す内容以外の所を意識した途端、話す内容が飛んでしまい頭が真っ白になってしまいます。つまり、意識してやらなければいけないことが多すぎるんです。

あなたはプレゼンを会社の同僚や仲間などに見てもらったこと、そしてフィードバックを受けたことはありますか?プレゼンの練習をすると、様々なフィードバックが返ってきます。「声が小さい」「体が左右に揺れていた」「話すスピードが速い」といった具合に、自分では気づいていない課題に気づくことができる非常にありがたい機会です。

 

ただし、あがり症の人にとっては、これらのフィードバックがかえって負担になり、緊張して何も話せなくなってしまうのです。なのである程度緊張対策ができるようになるまでは、細かい課題について考える必要はありません。

 

まずは自分の言葉で聴き手に話ができるようになる。これだけを意識して事前練習に取り組みましょう。そしてある程度話ができるようになったら、少しずつご自身の課題に取り組んでいくと良いでしょう。

 

ボディランゲージやアイコンタクトなどは、最初は気にしなくても全く問題ありません。

 

 

プレゼン会場を下見しておく

普段話さない内容や初めて話す相手など、普段と異なる状況で話をしなければならないとき、私たちはどうしても緊張してしまいます。プレゼンを行う会場についても、普段から話し慣れている場所で話をするのと、初めての場所で話をするのとでは緊張感が全く異なります。

 

スポーツにもホーム&アウェーという言葉があり、ホームチームが有利なように、できるだけ話し慣れた環境でプレゼンできると安心しますよね。そこで緊張対策の1つとして、プレゼン会場を事前に下見しておくことも有効な手段の1つです。もちろんクライアント先や普段は入れない会場など、制約があり下見できない場合も多いでしょう。なのでもし可能であるなら試してみてください。

 

ではプレゼン会場の下見で何を見るのか?そのポイントを挙げていきます。

 

プレゼン会場の雰囲気

実際にプレゼンを行う会場に目を慣らしておくという点が最初のポイントです。実際に話す場所ですから、一度目に触れておきたいですよね。広さや会場の雰囲気を確かめることで、本番のイメージを行いながら練習をすることができるようになります。

 

設備関係の確認

プロジェクターや電源(延長コードを持参した方が良いかどうか?)、ホワイトボードの有無などを確認しておきます。こうしたことを事前に知っておけば、プレゼン当日余計なことを気にせず、プレゼン本番に集中することができます。

 

お手洗いや自動販売機の場所

ちょっとした身だしなみを整えたり、急に喉が渇いたりといった時のために、お手洗いや自動販売機の場所をチェックすると当日役立ちます。例えば大人数の前でプレゼンする場合などは、同じフロアだと込み合う場合もありますので、別のフロアの穴場のような場所を見つけておくなど工夫しておくこともできます。

 

会場周辺情報

最寄り駅からの距離や会場最寄りのコンビニなど、当日の移動、食料などの調達場所を見ておきます。夏場などにプレゼンを行う場合、駅からの距離が遠い会場だと注意が必要だったり、最寄り駅周辺にコンビニがなかったりと想定外のことは結構起こるものです。事前にこうした情報を仕入れておくのも重要です。

 

いずれにしても緊張対策として大切なことは、プレゼン当日に不安になりそうな要素はできるだけ事前に無くしておくということです。Facebookのザッカーバーグ氏も「できるだけ決断の数を少なくしたい。朝食に何を食べるかとか、どんな服を着るかとかいう小さい決断は、エネルギーを消費する」という言葉を残しています。大事なプレゼン当日はできるだけプレゼンだけにエネルギーを集中させたいですよね。もし事前に不安なことがあるのならぜひ会場を見ておいてください。

 

 

日々の仕事の中でプレゼンに慣れる

プレゼンは特別な場面だし、なかなか機会がないから上達しない。なんて思っている方もおられるかもしれません。確かに大人数の前で話す機会となると滅多にないかもしれません。

 

しかし、【プレゼンテーションとは何か?】という記事の中でも触れていますが、

 

  1. 相手に伝える
  2. 相手に理解してもらう
  3. 相手に行動してもらう

 

といった性質を持つものは、全てがプレゼンテーションになります。これが例え1対1であってもプレゼンはプレゼンなのです。

なので相手に伝える工夫、相手の反応を確かめる練習など、日々の仕事の場面でプレゼンテーションに触れることができます。日々プレゼンに触れることができれば、少し会場が大きくなっても、話す相手が変わっても日常の仕事の延長といった感覚を持っていれば、緊張して話すという特別な意識も持たなくなります。

 

人生は毎日がプレゼンの連続です。相手とのコミュニケーションの中で少し意識して自信をつけていきましょう。

 

 

 

ここまでがプレゼン準備段階で実施する緊張対策となります。こうして見てみると、プレゼン前にできる対策はたくさんあるとお気づきかと思います。プレゼン本番までの期間がどれだけあるかで、どこまで準備するかは変わってきますが、本番までの時間が十分にあるのならぜひ色々な対策を試してみてください。

 

 

本番で実施するプレゼン対策

では、ここからはプレゼン本番当日に実施できる対策について順に見ていきましょう。

 

  • 緊張している自分を鳥瞰する
  • 調身・調息・調心
  • 身体の「筋張」をほぐす
  • 意識を聴き手に向ける
  • 1対1の会話の延長だと思って話す
  • 結局なんとかなると割り切る

 

緊張している自分を鳥瞰する

事前にどれだけ緊張対策を実施していても、プレゼン本番になると緊張してしまいます。これはプレゼンに真剣に向き合っている以上仕方のないことです。このような状況で自分を見失わないようにするために、まずは自分自身の現在の状況を受け入れることが重要です。

 

つまり、自分が緊張し始めているということを自覚するのです。

 

緊張してしまうとどうしても視野が狭くなり、周りが見えなくなってしまいます。このように自分自身を客観的に見るような習慣をつけておくと、視野が広がり、自分自身および周りの状況を冷静に見ることができるようになります。

 

 

緊張し始めると、「ダメだダメだ、緊張してはいけない」と自分に言い聞かせる人もいますが、こうした行動は返って緊張状態を増長させてしまいます。人は誰でも緊張するのですから、こうした状況を受け入れる方が落ち着いて対応を取ることができます。なのでプレゼンで緊張してきたら、緊張しないように振る舞うよりも、自分が緊張しているという事実を冷静に受け入れる方が自然と緊張は和らいでいきます。

 

ドキドキするという感情は、日常生活でなかなか味わう事のできない感情です。自然とそういった感情になっている自分を客観的に見て「貴重な体験をしている」と感じられるようになれば大したものです。自分を鳥瞰するという行動は難しいかもしれませんが、ぜひ取り組んでみてください。

 

 

調身・調息・調心

緊張すると、脈拍数が増え、呼吸が浅くそして早くなってしまいます。そんなときには大きく深呼吸をすると良いのですが、正しい姿勢で正しい深呼吸を行うと緊張が和らぐだけでなく、集中力も高まり効果的です。「調身・調息・調心」とは座禅の基本で、身体、呼吸そして心を整えることを言います。

 

プレゼン直前の緊張対策ですので、本当の座禅のように細かく形にこだわる必要はありません。ポイントは楽に呼吸ができるようにすることです。そのための「調身・調息・調心」について簡単に説明していきます。

 

調身…背筋を伸ばし、1m先を何となく見る

まずは姿勢を整えるところからスタートです。最初は椅子に普通に腰かけます。背筋を伸ばし顎を引き、身体の力を抜きます。目線はぼんやりと1m先を見るような感じで何かをじっと見るというよりは、ぼんやりと前を見ている、という状態にします。このようにしてまずはリラックスした姿勢を作ります。

 

調息…肺の中がからっぽになるまで吐き切る

続いてリラックスした状態で深呼吸を行います。ここでのポイントは大きな深呼吸を行う事です。鼻から大きく息を吸い込み、鼻または口からゆっくりと時間をかけて肺の中がからっぽになるまで吐き出します。そしてまたゆっくりと鼻から吸い込みます。これを何回か繰り返して、身体の中に酸素を送り込みます。大きな深呼吸を行う際には、胸を使わず、丹田という下腹を使って行うと効果的です。呼吸の回数の目安は1分間で3回以下です。かなりゆっくりですね。

 

調心…呼吸とともに不安を吐き出すつもりで

そして調心では一般的には雑念を取り払い、1つの対象(自分の呼吸など)に集中するなどと言われています。でも元々リラックスした状態で行う呼吸と、プレゼン直前の緊張した状態で行う呼吸とでは全く状況が異なります。ここでは緊張した気持ちをできるだけリラックスした状態に移行させるため、息を吐き出しながら自分の不安や緊張している要素を一緒に吐き出すというイメージを持ちます。

 

本来「調身・調息・調心」は「心身一如」といって、それぞれ順番があるわけではありません。ここでは便宜上順番に説明しましたが、実際に行う際は「調身をやる」「調息をやる」とバラバラにするのではなくそれぞれの意識を関連させながら行う事が重要です。

 

こうした呼吸を毎回ルーティーンにしている人もいます。そしてこうした呼吸方法が無意識にできるようになれば本当の坐禅にかなり近づきます。これを行う事で一時的にでも緊張は和らぎますのでうまく取り入れてみてください。

 

 

身体の「筋張」をほぐす

先ほどの「調身・調息・調心」では姿勢を正して大きく呼吸をすることで、気持ちを落ち着かせる効果がありました。ここでは表情がこわばったり、緊張で舌が回らないなどといった状態を和らげるための筋肉をほぐす方法をご紹介します。

 

気持ちが緊張していると身体がその緊張状態を察知し反応してしまいます。そして筋肉も緊張、つまり「筋張」状態になってしまいます。筋肉が固くなってしまうと本番で上手く話せなくなることもあります。スポーツの試合前に身体をほぐしておくのと同じように、人前で話す前にも身体をほぐしておくことが有効になります。

 

表情筋を和らげる

顔の周りには様々な筋肉が存在します。緊張して筋肉が固くなってしまうと、表情が固くなってしまったり、滑舌に影響したりとあまり良い事はありません。表情筋を和らげることで自然な表情で、滑らかな話し方ができるようになります。表情筋を和らげるトレーニングはいくつかありますが、プレゼン前に簡単にできるトレーニングを3つご紹介します。

 

  1. 声は出さずに、顔全体を使って大きく頬と口を動かしながら「あ」「い」「う」「え」「お」の表情を繰り返します。口だけを動かすのではなく、頬や口の周り、顎の筋肉などを意識しながら大きく動かすのがポイントです。これによって口と顎の筋肉がほぐれます。
  2. 次に舌の筋肉をほぐします。ちょうどあっかんべーをするように舌を大きく下に出します。イメージはアインシュタインの写真です。これも何度か繰り返します。
  3. そして最後は口の中で舌を頬から歯茎にかけてグルグル回転させ舌回し運動を行います。右回り、左回りと何周か繰り返します。

 

肩や腕、足の筋肉をほぐす

プレゼン前の緊張は、スポーツの試合前とよく似ています。試合前に準備体操をするように、プレゼンもスポーツと同様準備体操をしておくと効果的です。運動前の準備体操と同じように、屈伸や伸脚、あとは軽くジャンプをしておきます。肩や腕のストレッチを行っても構いません。このようにして顔以外の筋肉もほぐします。

 

身体を温める

緊張すると、身体が冷えてしまうという人もおられるかと思います。冬場はもちろんのこと、夏場であっても冷房の効いた部屋でのプレゼンなど手足が冷えていると本当につらいです。専門医によると、身体を温めると副交感神経が働き、非常にリラックスした状態になるそうです。

 

プレゼンの当日はつま先が冷えない様なソックスや靴用回カイロを用意しておいたり、プレゼン前は太ももの間に手をはさんだり、カイロや缶コーヒーなどで手を温めたりして血行を良くしてみましょう。緊張が完全に取れなかったとしても気持ちは少し落ち着きます。

 

いくつか身体の緊張を解く方法をご紹介しました。ここに挙げていないものでもマッサージやストレッチなどやってみて効果があればぜひ今後のプレゼン前に取り入れてみてください。あともう1つだけ注意事項があります。それは思い切りやり過ぎないことです。緊張状態では身体が固くなっています。そこで無理に身体を動かした場合、筋肉がつることがあります。怪我にもつながりますので、最初は優しく、徐々に力を入れていってください。

 

 

意識を聴き手に向ける

プレゼン初心者がよく陥る状況として、意識が自分に向いてしまうことがあります。プレゼンをする時に初心者が意識してしまうことといえば、

 

今日は間違えずに話せるだろうか?
抑揚付けて話せるだろうか?
うまく身振り手振りを付けられるだろうか?
アイコンタクトは意識してできるだろうか?
髪型や服装はイケてるだろうか?

 

などなど、「自分がちゃんとできるか?」というように、常にプレゼンの主体が自分に向いてしまっているのです。プレゼンの主体が自分に向いてしまうと、このようにきちんとしなければいけないという意識が働き、その意識が緊張へとつながってしまいます。

 

これはプレゼンを自分が注目される場だと勘違いする所から生まれます。

 

人気アーティストのライブや、人気コメディアンのステージなどでは、前に立っている「人」に興味があり、その人のパフォーマンスが見たくて人が集まります。野球やボクシングなどのプロスポーツもこれに該当します。プレゼンの場面もこのような場面とよく似ている状況ですから、聴き手はあなたに注目している。という勘違いが起きやすいのです。

 

これは聴き手側に回ればすぐにわかるかと思うのですが、聴き手はあなたが話すテーマに興味があって、決してあなたに興味があるわけではない。ということです。聴き手の興味はあなたのパフォーマンスではなく、プレゼンで得られるものに興味があるのです。

 

そしてプレゼンテーションは聴き手がいて初めて成り立つものだということも忘れてはいけません。私たちがプレゼンテーションをするのも、自分のためではなく聴き手のためというのが基本的な考え方です。

 

大切なことは「聴き手に対していかに真剣に向き合っているか」ということです。

 

相手にとってメリットのあること、相手に成長してもらいたいという気持ち、これらは本当に相手に真剣に向き合っていないと高まっていきません。上司に頼まれたからしぶしぶ実施するといった、いわゆる「やらされプレゼン」などではそういった気持ちが薄いため自分に意識が向いてしまい緊張してしまうのです。

 

 

その場だけでもいいから聴き手に真剣に向き合ってみる

ここでのポイントはこの1点に尽きます。このプレゼンを通じて、

 

聴き手の人に本当に気づいてもらいたい
この商品が本当に役に立ついい商品だと知ってもらいたい
この方法を知って本当に変わってもらいたい

 

などなど、プレゼンの内に秘めた想いを相手に届けるつもりで、真剣に聴き手に向き合って話をします。それだけ相手に感情移入すると、自分の細かいミスなんて気にならなくなりますし、何よりもこうした感情は聴き手に伝わります。結果的に緊張対策にもなり、相手に伝わるプレゼンテーションにもなるのです。

 

やらされプレゼンなど、元々そういう気持ちにならないものであっても、その場限りで良いのでそういう気持ちで聴き手に向き合って話すように心掛けてみてください。プレゼンの主体はあなたではなく、あくまで聴き手なのです。

 

 

1対1の会話の延長だと思って話す

これは私の個人的な見解なのですが、プレゼン本番で行う緊張対策で最も効果があると実感しているのがこの方法です。プレゼンの場面では普段とは異なり、1対多数のコミュニケーションとなります。そんな中で話をしようとすると非常に緊張してしまいます。言葉の使い方や目線の配り方、様々な聴き手の反応にどのように対処していけばいいのか?そのプレッシャーは計り知れません。

 

特に人数が多いと「大勢の人」に向けて話すという意識が働きます。でも私たちは大勢の人に話すときにふさわしい話し方や目線の配り方には慣れていません。だからどうやって話せばいいのかわからず緊張してしまうんですね。

 

こんな時に思い出して欲しいのがこの対策です。名付けて「居酒屋メソッド」です。

 

私は以前セミナー講師を目指す人のトレーニングで彼らの指導をしていたことがあります。受講者の中には、セミナーの内容、つまり伝えたいことは素晴らしいんですが、人前に立って話をしようとするとなかなかうまく伝えられない。そんな方がおられました。その方の悩みは「誰に向かって話せばいいのかわからない」。だから話し方も当たり障りのない言葉で、普段使わない声のトーンで話をしていたのです。その話し方がとても話しづらく緊張してしまうということでした。

 

よく営業の人や百貨店の販売員など普段の話し方とは違ったいわゆる「営業トーク」ができる人っていますよね。彼らはもうその話し方を体得しているので慣れているのですが、日常生活でそうした話し方をしない人にとって普段と異なる話し方をするというのはものすごくストレスが溜まってしまいます。

 

ある日、その方と居酒屋で食事をしていたとき、ここでセミナーをやってみようという話になりました。1対1、受講者は私ひとりの膝を突き合わせてのセミナーでした。その方は「自分の言葉」で「自分らしく」素晴らしいセミナーをしてくれたのです。これが居酒屋メソッド完成の瞬間でした。

 

結果的にその方は、約100名の受講者の前でとても分かりやすく面白いセミナーを堂々と行うことができました。

普段と違う振舞いをしようとすると、不慣れが原因となり緊張を生んでしまいます。大切なのはいかに自分らしく振る舞うことができるか?ということです。そして普段と同じ会話をするために必要な考え方が「1対1の会話の延長だと思って話をする」ということなのです。では居酒屋メソッドのポイントを3つご紹介いたします。

 

普段通りの言葉遣い、ボキャブラリーで話す

プレゼンの場面だからといって難しい言いまわしや普段使わない表現をしようと背伸びする必要はありません。普段仕事で会社の先輩や上司などと会話するような話し方で問題ありません。プレゼンは双方向のコミュニケーションですから、他人行儀な話し方よりも会話のような話し方の方が聴き手も受け入れやすくなります。特に相手が目上だとどうしてもかしこまってしまいます。そんな時こそ普段どおりの話し方(普段直属の上司や先輩と話す感覚で)で話すようにしてみてください。

 

良い反応を示してくれている人に話す

プレゼンをしていると、深くうなずいてくれたり、体を前のめりにして聞いてくれたり、こちらを見てくれていたりと良い反応を示してくれる人がいます。そんな良い反応を示してくれる人はあなたの強い味方になってくれます。ぜひそういった方に話しかけるつもりで話してみてください。聴き手の中にはずっと資料を見ていたり、うとうとしていたり、ボーっとしている人もおられます。よくアイコンタクトを全員にしなさいといったような説明もありますが、結局彼らは話を聞いていないのであまり意味はありません。なので良い反応を示してくれる人に話すつもりで、彼らにしっかり目を向ければ良いのです。

 

大切なのは自分らしさ

居酒屋メソッドで何より大切にしているのがこの「自分らしさ」です。普段とは異なる環境であるがゆえに、普段よりもかしこまって普段とは異なる話し方をしてしまう。これだとあなた自身が持っているポテンシャルを出し切ることは難しいです。元々私は人を話で笑わせるのは苦手なのですが、昔無理をして笑わせる話を最初のアイスブレイクに入れてみましたが、会場は笑わないし私自身も間の取り方がわからなくなって相当焦った経験があります。

 

このように自分らしさを閉じ込めて誰かを演じるということは、話す側も聞く側もどちらも重苦しいです。「○○してはいけない」「〇〇だから××しなければいけない」といった固定概念をできるだけ取り払って、あなたらしいプレゼンになるように心がけてみてください。多少方言が出てしまっても、話口調が独特でも、それはそれで個性があって良いものです。

 

 

結局なんとかなると割り切る

これまで数多くの緊張対策について説明してまいりました。ここまでの対策をうまく活用すれば、以前よりはかなり緊張は和らぐことは間違いありません。ただ、どれだけ事前に準備をしようとも、どれだけ意識を変えようとも緊張はします。緊張のし過ぎ、つまり過緊張はパフォーマンスを下げてしまいますが、程よい緊張は集中力を高めパフォーマンスを上げる効果がありますので、緊張をゼロにする必要はありません。

 

人が行う行動ですから、時には失敗もします。うまく行かないこともあるでしょう。でも大切なのは最終的には何とかなる。という気持ちを持つことです。ものすごく緊張した経験が今後の何かの役に立つでしょうし、失敗した経験が今後笑い話にもなるでしょう。Wordの講師をした時の私のエピソードも当時は緊張のピークにありましたが、その経験があったからこそ、あがり症の人の気持ちもわかるし、今こうして記事を書くことだってできています。

 

緊張は辛いですが、これが未来の自分への良い経験だと思って、最終的には何とかなると思ってプレゼンをしてみてください。最終的には何とかなるものです。

 

 

 

いかがでしたか?ここではプレゼンに特化して緊張対策を「準備段階」「本番」の2つの状況に分けてご紹介してまいりました。プレゼンに慣れるまでは、何度も場数を踏んで少しずつ慣れていくということは大切です。でも緊張やプレッシャーから少しでも楽になりたいという方は、ここに書いてあるノウハウをぜひ実践してみてください。

 

また、ここに書いていない内容で「こんな緊張対策役に立ったよ!」という方がおられましたら、ぜひ以下のアンケートフォームよりご意見をお聞かせください。

 

あなたの緊張対策を教えてください

 

そして、あがり症で悩んでいる方や困っている方がおられましたら、ぜひこのコラムをシェアしてください。どうぞよろしくお願いします。

 

以上、長文にお付き合い頂きありがとうございました!
Enjoy your presentation work!

 

ShuOkamura

 

 

 

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