理解の連続性〜想いだけでは伝わらない

くプレゼンを行う際には、「自分の想いを伝えた方がいい」 とか 「気持ちがあれば伝わる」 などと言います。私もよく言っているのですが。。これはもちろん正解です。プレゼンに想いを込める事はとても重要なことですよね。

 

ところがたまにこんな人がいます。

 

アツすぎて近づけない
気持ちは分かるが何を言っているのかわからない
話がぶっ飛んでる

 

このような人は、とても素晴らしい想いを持っているのに、なぜかいまいち伝わっていないんですね。なんとなく気持ちは伝わるんですが、気持ちが空回りする。そんな印象を受けてしまうんです。これってもったいないですよね。

 

そこで今回は 「理解の連続性」 というお話をします。

 

感情の前に理解してもらうこと

プレゼンテーションは相手に正しく伝えた上で、相手の気持ちの変化や行動を促すコミュニケーションの手段です。そして機械的に伝えるよりも、伝える内容に想いがこもっている方が、より相手には伝わります。

 

感情は伝染しやすいですからね。

 

ただ聞き手に伝わる話をするには、聞き手が正しく理解できる話し方を心がけるべきです。まず最初に、聞き手は 「自分事」 に置き換えて話を聞くということを忘れてはいけません。聞き手は話を聞く際に、その話を自分の知識や経験、体験などに置き換えて物事を理解しようとします。

 

ところが、話が途中で途切れてしまったり、主張の根拠が明確ではなかったり、自分がイメージできないこと(自分事に置き換えられないこと)を言われたりすると 「???」 となってしまいます。例えば、「成功するには志を持ちなさい!」とアツく主張する人がいたとします。この人の主張は続きます。

志や夢を持ちましょう!!
人間、毎日をなんとなく生きているなんてもったいなさすぎます!
志や夢をもてない人間なんていません。

 

そしてその夢をたくさんの人に語りましょう!!
そうすればあなたはきっと成功できます!!!!!

 

プレゼンでやたらアツいこんな人をたまに見かけます。この想いだけで気持ちが伝わり、「やるぞー!」という気になる方もいるかもしれませんが、少し冷静に物事を見る人にとっては、「この人、アツいなぁ」 で終わってしまいます。

 

言葉に想いを乗せることは非常に大切です。しかし、プレゼンターが一方的に主張を押し付けているようにも見えます。注意したいのは、 「一方通行のキャッチボールになっていないか?」 ということです。主張をする以上、その主張を聞く聞き手がいるはずです。聞き手が話の内容を理解していないのに、次から次へと話を進めても、アツさしか伝わってきません。

 

せっかくいい話をしようとしているのにもったいなくないですか?

 

今回の例で申し上げると、 「成功するには志を持ちなさい!」 に対する根拠が述べられていないのが最初のポイントです。 「志を持ちなさい」 と言われて 「そうだ!その通りだ!」 と思えた人は、その先の話をスムーズに聞くことができます。しかし 「なぜ志を持つことが成功につながるんだろう?」 と思っている人もいるはずです。まずはここで、

「志を持つことによって、自分の行動が意識的に変化するからです」とか
「自分に必要な『軸』ができるからです」

というように、聞き手の 「?」 を1つずつ解いてあげることが大切なんです。その上でさらに聞き手が 「なぜ『軸』を持つと成功するのだろう?」 と思うのであればその根拠を説明し、聞き手の納得感が得られるまで掘り下げていくのです。

 

聞き手はプレゼンターの話を順番に正しく理解していないと、主張が伝わらないようになっています。途中で 「???」 が生じると、その先の話が聞き手の頭の中に入ってきません。あなたも誰かのプレゼンを聞いているときに、よくわからなくて思考が途中でストップした経験はありませんか?

 

聞き手の 「理解の連続性」 が途中でストップすると、その先の話は聴き手に入ってこなくなります。そうなってしまうと、話している内容はよくわからないが熱意はあるなぁ。そんな印象を持たれてしまうのです。

 

プレゼンはキャッチボールだ

想いがあることはいいことです。むしろ想いのないプレゼンは誰にもつたわりません。でもそのせっかくの想いなので、聞き手にしっかりと伝わってほしいですよね。そのために重要なのが 「キャッチボール」 なんです。コミュニケーションはキャッチボールと言われるように、プレゼンにおいても、常に聴き手の反応や状況を見ながら進め方を臨機応変にコントロールしていかなくてはいけません。

 

聴き手が困った顔をしている
腕組みをしている
頭を掻きだした

 

こういった仕草は、理解に悩んでいるサインです。まずはそういったサインを読み取れるように、聴き手の反応をしっかりと見ながら話を進めていくことが大切です。

 

 

根拠を理解していないのか?

専門用語が難しすぎたのか?

もう少し具体性がほしいのか?

 

そういったことを考えながら話を進めていくことで、「想い」 と 「主張」 が聞き手に理解され伝わるプレゼンテーションになるのです。再度申し上げますが、重要なのは 「キャッチボール」 です。聞き手としっかりとキャッチボールをし、自分の想いが正しく伝わるプレゼンターになってくださいね。

 

 

 

このページの先頭へ戻る