感情境界線-聞き手に一番伝わるポイント

レゼンテーションで話をするとき、どのような状態で話すと聞き手に伝わるのでしょうか?ここでは聞き手に一番伝わるポイントとして「感情境界線」というものをご紹介いたします。

 

ウィンターシーズンになると、毎年スキーのジャンプ競技が開催されます。

 

「○○選手、大ジャンプを見せました!見事K点越えです!!」 って中継で言われるあの種目ですね。

 

ところでこの「K点」という意味はご存知でしょうか?スキーのジャンプ競技では「これ以上飛ぶと危険なポイント」という意味を持つらしく、ドイツ語で 「kritischer Punkt」 の頭文字を取って「K点」というそうです。ちなみに英語では「critical point」という意味だそうです。

 

なぜいきなりこのような話をしたかと言いますと、プレゼンテーションにもこれ以上超えるといけないポイントがあるからです。

 

それが感情境界線というものです。

 

プレゼンテーションでは感情を込めて話すと伝わるといいます。私もこちらのコラムで想いを入れて話す練習が効果的と書いています。ではどれくらい感情を込めるのが一番伝わるのでしょうか。

 

感情のラインをコントロールする

まず最も聞き手が退屈するのは、話す内容に全く感情が入っていないプレゼンテーションです。さすがにこれは伝わりません。

 

マニュアル通りに教えるプレゼンテーション研修の講師

自分の体験を元に教えるプレゼンテーションセミナーの講師

 

マニュアル通りに教えるプレゼンテーション研修の講師でも教え方が上手い人はいますが、マニュアルだけあって教える内容そのものに想いや感情は入ってきません。多くのの研修が退屈だと感じるのは、その話に想いや感情が入っておらず事務的だからなんです。

 

ではどれくらい感情を込める必要があるのか?実は込めすぎてもよくありません。感極まってしまって、感情境界線を越えてしまう場合があるからです。では具体的にどのような状況なのかをご紹介します。

 

先日、私の友人が 「めっちゃ面白い話があるねん」といって話をしてくれました。しかし、途中で面白くなったのか自分がケラケラ笑ってしまって、話せなくなってしまいました。

 

「ほんでな(プッ)、そしたら先生が。。。ハハハ!」

 

友人はとても楽しそうに話をします。しかし冷静に話を聞いている私は「何が面白いんだろう??」と心で思いながら、愛想笑いをするしかありませんでした。あまりに面白かったために、相手に説明をする前に感情境界線を越えて笑ってしまったんです。

 

これが感情境界線を越えてしまったパターンです。

 

また、私が審査員を務めたあるプレゼンテーションの大会では、クライマックスの場面で自分に起きた辛いエピソードを話そうとしている人がいました。この方のプレゼンテーションはとても面白かったのですが、肝心のクライマックスシーンで感極まってしまい、言葉を詰まらせてしまって泣いてしまいました。

 

人の涙は共感を誘いますが、なぜ悲しいのかがこちらに伝わってこないまま感極まってしまったために、プレゼンターと聞き手との温度差ができてしまったんです。こういったものが感情境界線を越えてしまったパターンです。

 

話に感情を込めると、自然と声の抑揚や強弱、間の取り方がうまくなります。その結果、聞き手にその感情とともによく伝わるものです。しかし、その感情も一定のラインを越えてしまう、つまりプレゼンター自身が笑ってしまったり泣いてしまったりすると一気に伝わらななくなってしまうんです。つまり、

 

 

これ以上行くと感情があふれてしまう、ギリギリの状態で聞き手に伝える

 

 

これが一番聞き手に伝わるポイントなんです。プレゼンテーションの中で自分の感情をコントロールするのは非常に難しいです。しかし淡々と話されることほど面白くない話はありません。感情境界線ギリギリまで気持ちを高めることで、聞き手に共感してもらえるプレゼンテーションができるようになります。

 

そのためには、その話す内容について自分がどれだけの想いを持って臨んでいるのか、あるいは聞き手に対して本当にこのプレゼンで変化をもたらしてほしいと考えるなど、事前にこのプレゼンテーションに対する想いや感情をしっかりと込めておくことが重要です。

 

感情をコントロールするのはとても難しいですがぜひチャレンジしてみてください。

 

 

 

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