プレゼンテーションの主役は誰か?

レゼンテーションの本番をむかえるにあたり、意識しておいてもらいたいとても大切なことがあります。それは「何がプレゼンテーションの主役か?」ということです。

 

最近は様々なプレゼンテーションツールが出てきました。元々マイクロソフト社のパワーポイントが主流でしたが、スティーブジョブズも愛用していたMacのKeynote(キーノート)やズーミングプレゼンテーションソフトとして話題のPrezi(プレジ)でプレゼンテーションをする人もよく見かけるようになりました。

 

こうしたツール偏重の最近であるからこそ、プレゼンテーションの主役がツールそのものに移りがちになってしまいます。格好いいスライド、アニメーションを駆使したスライド、そしてグルグル回る画面。こうしたツールを使って行う迫力のあるプレゼンテーションは、あくまで「伝わるための1つの要素」としてとらえておかないと失敗してしまいます。こうしたほとんどのプレゼンテーションは自己満足で終わってしまっているんです。

 

つまり、ツールはプレゼンテーションの主役ではありません。

 

ツールはあくまでプレゼンテーションを補完するツールの1つにすぎません。このようなことはプレゼンテーションの書籍などで何度も触れられてきていますので、ご存じの方も多いと思います。ではプレゼンの主役は誰でしょうか?そこでこうした書籍ではこのように書かれてあります。

「プレゼンテーションの主役はパワーポイントではなくあなた自身です。」(← ホンマ?)

つまりツールに目立たせてはいけませんよ。プレゼンテーションを行っているのはあなたなんですから、あなた自身が主役にならないとダメなんですよ。こうしたことを意図されているようです。確かにプレゼンテーションをするのはプレゼンターであって、パワーポイントが主役になるものではありません。しかし私はプレゼンターが主役になってもいけないと思うんです。

 

 

プレゼンターが主役になってはいけない理由

私はプレゼンテーションをよく「ドラクエ」に例えて説明します。つまり誰が勇者で誰がボスか?そういった話をして説明をするとわかりやすいからです。ビジネスの場面でプレゼンテーションを行う場合、多くの人はこの役割設定を間違って理解してしまっています。多くの人の役割設定はこうなのではないでしょうか?

 

主役(勇者):プレゼンター(つまりあなた自身)
ボス(敵):聞き手

 

自らの仕事を得るため、あるいは商品を買ってもらうために、敵である聞き手を様々な方法で納得させ、最終的には自身の目標を達成させる。こうした意識でプレゼンテーションに臨む方がおられます。つまり聞き手を敵だと思っているパターンです。ビジネスにとっての聞き手はお客様であることが多いので、まず敵対するという意識を持つ時点で、この設定はおかしいです。プレゼンテーションの目的はお客様を説得するのではなく、お客様の問題を解決することなんです。

 

お客様を敵だと設定してプレゼンテーションを作成してしまうと、ついこのような感情を抱いてしまいます。

 

論破する
言いくるめる
打ち負かす

 

これは実際に私がプレゼンの現場で経験したことです。まだ私が若手だったころ、このようなことを言っている方を見かけました。確かに知識量が豊富であることは認めるけれど、お金をいただくお客様を負かしてどうするんだ。と当時からずっと疑問に思っていたんです。

 

そもそもプレゼンテーションを自分のためつまり自利のために行ってもたいていはうまくいきません。これはビジネスに共通して言えることです。まずはお客様のため、つまり利他の精神を持ち合わせておかないとプレゼンテーションは失敗してしまいます。

 

お客様の問題を解決し、それに貢献できたことで自分自身にも少しご褒美が返ってくるんです。つまり「自利利他の精神」がプレゼンテーションには必要なんです。

 

こういった意識で役割設定をすると、このようになります。

 

主役(勇者):聞き手
ボス(敵):解決すべき問題

 

そしてあなたの役割は、主役である勇者と共に旅をする仲間、パーティなのです。主役である聞き手と一緒になって最終ボスを倒す。そのストーリーがプレゼンテーションの中に詰まっていなければいけないんです。

 

プレゼンテーションの主役は聞き手である。

 

プレゼンテーションの経験を重ねるに連れて、この意識を持てるようにしてください。これができるようになると、本当にお客様に伝わるプレゼンテーションができるようになります。なぜならお客様は敵ではなく、一緒に旅をする仲間だと思えるようになるからです。

 

 

 

 

 

 

このページの先頭へ戻る