プレゼンが上手いと思われる人は状況判断ができる人
他の人のプレゼンを見ていて、「この人のプレゼンは上手い!」と思うことってありませんか? 特に意識していなくても、何となくこの人のプレゼンは上手いなぁ、と思うことはあると思います。
プレゼンが上手い人というのは様々な特徴があります。しかし私が最もすごいと思うのは、プレゼンテーションの状況を適切に判断し状況に応じて組み立てを行う人です。プレゼンテーション本番では状況によってさまざまなことが起こります。例えば、
A案を薦めていたが、なんだか雲行きがあやしい
聞き手が急に腕組みをして何か考え出した
何か首をかしげながら資料をペラペラめくっている
このような状況になると、必ず聞き手には何らかの問題が生じています。あるいは
女性が寒そうにカーディガンを羽織った
聞き手が携帯を触り始めている
慌ただしそうに必死にメモを取っている
こうした聞き手からのサインを見落としてしまうと、どれだけ素晴らしい話し方、素晴らしい資料を作成したとしてもプレゼンは失敗に終わってしまいます。
プレゼンの場面では臨機応変力が求められる
プレゼンテーションの場面では状況に応じて臨機応変に対応する力が求められます。実はこうした臨機応変力によって信頼を生むことが多いんです。先ほど挙げた例は、実は臨機応変力を発揮するチャンスだったんです。しかしそのサインを見落としてしまうと、大きく信頼を落とすことにもなりかねません。
例えば、A案の説明をしていて、相手のキーパーソンが難色を示していたとします。これを当初の台本通り最後までプレゼンしてしまうとどうなるでしょうか?おそらく、A案は通ることなく失敗に終わってしまうでしょう。
ここで「難色を示す」ということがどういう行為なのかを理解している人は、聞き手の疑問点を確認したり、問題点を明確にしたうえで詳細の説明をしたり、折衷案であるB案を提示したりします。プレゼンテーションのシナリオを最初から1つしか用意していない人は、その内容が聞き入れてもらえなかった場合にはなすすべがなくなってしまいます。そうなるともうアウトですよね。
プレゼンテーションのシナリオは1つではない
このようにプレゼンテーションでは、話を進めていく中で臨機応変に話を変えていく必要があります。その時々で常に状況を見ながら判断していかないといけないんです。
1時間のプレゼン予定だったのに、部長に用事ができて急きょ20分で行う必要が生じた
といったパターンもよくあります。1時間で予定していたプレゼンを、急に20分のダイジェスト版にできるか?もしダイジェスト版にするならどこを伝えないといけないか?やはり臨機応変に対応するちからがないといけませんね。
私はよく「プレゼンはライブだ!」と言っています。その理由は、プレゼン本番では予想しなかったことが往々にして起こるからなんです。当初描いていたストーリー通りに進むとは限らないんです。
他にもよく起こるのは「トラブル」関連ですね。パソコンで正しく動いていたのに、プロジェクターに接続したとたん動かなくなった。なんてことはざらにあります。
聞き手の状況を素早く察知できるか
慌てず冷静に対応できるか
聞き手の不安を払拭できるか
聞き手の不安を払拭できるか
そこにプレゼンテーションの本当の「上手さ」が必要になってくるんです。
臨機応変力を養う2つのポイント
このように上手いと思われるプレゼンターになるには臨機応変に対応する力が必要になってきます。ではどうすればそういった力を養うことができるのでしょうか。ここではポイントを2に絞ってお伝えします。当たり前でシンプルな話です。
プレゼンの準備段階では、やはり入念に準備しておくことが重要です。何が本当に重要かといったポイントを押さえておいたり、途中で質問されることを想定して、詳細は事実関係を明確にしておく。そういった入念な準備をしておくことで、急に何かが起きても対応できるようになります。時間とのトレードオフになりますが、最低限必要なところは押さえておきたいですね。
プレゼンテーション本番においては、自分が何を話すかという所に集中するのではなく、自分が話しながら聞き手がどんな反応をしているかを気にしながら進めていきます。もし話の途中で聞き手が難しそうな顔をしたり、腕組みをしながら資料とにらめっこを始めたら、いったん説明を止めて「何か気になるところがありますか?」と聞いてみると話がスムーズに進みます。
あらかじめしっかりと準備しておき、本番では聞き手のサインを見逃さないこと。これができるようになれば、あなたのプレゼンテーションは信頼されるようになります。基本的なことですが、実際は難しいです。少しずつできるように実践していきましょう。